認知症の介護に役立つ便利情報

アルツハイマー型認知症で要介護5の母の介護をする日々。自分であれこれ試したり知ったりした介護に役立つ便利な情報を書いていきます。必要とする方の参考となれば幸いです。

外出困難な母は訪問理美容でスッキリ 自治体によっては費用助成も

以前勤めていた会社に毛内さん(仮名.男)という定年間近の先輩がいました。
毛内さんはもうほとんど毛がなくて、襟足に少し残ってるくらい。
ある時毛内さんは、引き出しから事務用のハサミを取り出すと、チョキンと襟足の髪の毛をカット。
見えないだろうに、うまいこと伸びた髪の毛をカットしてゴミ箱にポイッ。
「毛内さんは床屋さんに行かないんですか?」
「ああ、おれは自分でハサミで切って終わりだ、ハハハッ!」
潔いというか、諦めがいいというか… 

外出困難な母は訪問理美容でスッキリ 自治体によっては費用助成も

 

 

訪問理美容とは

そんな毛内さんのような方には縁のない話しかもしれませんが、障害や病気が理由で理容室や美容室に行くことが難しい高齢者は、たくさんいると思います。
でも髪の毛はきれいにしたい。女性ならなおさら。

そのような理美容室に行くのが困難な方を対象に、自宅に美容師(理容師)が出張し、理美容サービス(調髪・カット)を行ってくれるというのが訪問理美容です。
誰でも利用できるというサービスではないので注意が必要です。

 

今は全国展開している訪問理美容専門の会社もあるくらいで、訪問理美容を行っている美容室はたくさんあります。
よく通っていた美容室が訪問理美容もやっているか確認して、来てもらうという方法もあります。

通常の料金に加え交通費がかかったり、利用者の状態によって価格が異なるなど、料金は様々です。
事前によく確認して利用したほうがいいですね。

美容室と同様、美容師の資格を持っている人が来ますので、トラ刈りになっちゃう心配はありません。
また、高齢者や認知症の利用者に慣れている美容師も多く、安心して任せられます。

 

 

 訪問美容の費用助成

行政サービスの一つとして、訪問理美容にかかる費用を助成している自治体があります。

認知症で要介護5の母も、訪問理美容の費用助成を受けています。
私の住んでいる町では、40歳以上で要介護3以上の方が訪問理美容の費用助成が受けられます。
1回500円という料金で1年に4回まで、自宅で髪の毛をカットしてもらえます。

 

一番はじめに利用した時は、訪問美容ではなく訪問理容をお願いしたため、男性の理容師が来ました。
(美容師より理容師の方が少ないよう。理容師は男性が多いようです)
どうも母は男性に髪の毛をカットしてもらうのが嫌なようで、始終不機嫌な様子。
それ以降は女性の美容師に来てもらってます。
その美容師は認知症の方の訪問美容を多く手がけていて、接し方も慣れているよう。
母も穏やかに髪の毛をカットしてもらってます。
費用も500円だけで、役所発行の利用券と一緒に支払いをします。
交通費もかかりません。

 

外出困難な母は訪問理美容でスッキリ 自治体によっては費用助成も

 

部屋が髪の毛で汚れない?

「部屋の中で髪の毛をカットすると、そこらじゅうカットした髪の毛だらけになるんじゃない?」
と思われるかたも多いかと。
私も訪問理美容を利用する前は「髪の毛のカットをしあと、掃除が大変そう」と思っていましたが、そうでもありませんでした。

 

いつも座っている介護椅子に腰掛けたまま、髪の毛をカットしてもらいます。
カットする前に散髪ケープをかぶせて、また髪の毛を濡らしてからカットしてます。
終わった後、衣服や床に髪の毛がついていますが、思ったほど飛散していません。
だいたい30分で終わります。

 

外出困難な母は訪問理美容でスッキリ 自治体によっては費用助成も

 

訪問理美容は介護保険の対象にはならないようです。
しかし行政サービスの一つとして、多くの自治体が訪問理美容の費用助勢を行っているので、お困りの方は役所に相談してみてください。