認知症の介護に役立つ便利情報

アルツハイマー型認知症で要介護5の母の介護をする日々。自分であれこれ試したり知ったりした介護に役立つ便利な情報を書いていきます。必要とする方の参考となれば幸いです。

アイキューラボの介護用おむつセンサーを試しに使ってみた感想

あれ、今の母の動作は失禁して紙おむつが濡れたサインかな。
ただお尻がムズムズしただけかな。
漏れていたら紙おむつを交換してあげたいし、漏れていないんだったら、このまま寝かせてあげたいし…
う〜ん、紙おむつの中はどうなってるんだ?

 

という経験はありませんか。
自分はしょっちゅうです。

 

アイキューラボの介護用おむつセンサーを試しに使ってみました

 

 

 

紙おむつの中はどうなってるか知りたい

失禁したら速やかに紙おむつを交換したい。
昔は失禁すると、もじもじしたり、寝ている場合は起きようとしたり、母の動作を見ているとだいたいわかりました。
ところが最近は、失禁しても身動きが少なくなり、失禁のサインを見つけにくいんです。

 

昼間は母の様子を見つつ2〜3時間おきにトイレに誘導し排尿、あるいは失禁していれば紙おむつを交換、という排泄介助のしかたをしています。
夜間は、そう度々起こすわけにもいきません。
母の股間に鼻を近づけ臭いを嗅いでも、失禁しているのがわからないことの方が多いです。(なんか変態っぽい)
失禁と紙おむつの交換のタイミングが合わないと、ずーっとおしっこで濡れたまま、なんてことになりかねません。

 

失禁を検知する良い方法はないかなあ、と、前々から探していました。
それが最近見つかりました。
紙おむつにセンサーを取り付け、失禁したかどうかを検知するというおむつセンサーです。

 

 

おむつセンサーとは

ちょっと前のおむつセンサーは、病院や施設向けの大規模なものが多く、一般の家庭で使うには無理がありました。
最近販売された「介護用おむつセンサー」は、一般家庭で使うように作られたものです。
このおむつセンサーは、紙おむつの外側にマジックテープで取り付けて使います。
すると紙おむつの温度と湿度の変化で失禁を検知して、自分のスマートフォンにアラームを通知してくれるという優れもの。

素晴らしい。

でも実際の排泄介助で使えるおむつセンサーなんでしょうか?
アマゾンのレビューや口コミも少なく、実際どうなのかがよくわかりません。

買って試してみました。

 

私が試しに使ってみたおむつセンサーは次のようなものです。

  • メーカー:iQLabo(アイキューラボ)
  • 型式:Opro9 Adult Smart Diaper 介護用おむつセンサー
  • 方式:紙おむつの外側にセンサーをとりつけ、周囲の温度と湿度の変化を検知。状態を4段階(正常、青、黄、赤=失禁,アラーム)に分けてスマートフォンに通知する。
  • 他:1台のスマートフォンで4台までのおむつセンサーと同時接続可能。

値段もそんなに高くないし、消耗品もボタン電池だけというランニングコストの安さ。
これでおむつの中がわかれば申し分ありません。

詳細はメーカーのホームページを参照ください。

 

おむつセンサーを試しに使ってみた結果

3週間使ってみた結果は下記の通りです。
おむつセンサーの動作およびエラーごとに、その発生回数をカウントしています。

 

No センサー動作および処置 1週目 2週目 3週目 備考
1 警報(赤色)でリハビリパンツ交換 14回 18回 16回 正常に検知
2 警報が出る前(黄色)に失禁を確認 9回 3回 6回 センサー感度弱
3 警報(赤色)があるのに失禁なし 2回 1回 2回 センサーエラー
4 検知せず(センサーの脱落、ズレ) 2回 2回 1回 装着エラー
5 合計 27回 24回 25回

1週目は正常に検知できたのが52%と、エラーが多かった。これはおむつセンサーの装着位置が不適切だったため。
取り扱いに慣れた2週と3週の検知率平均は70%程度である。

 

試しに使って分かったこと

 試しに使ってみてわかったことを列挙します。
ちょっと細かいですが、これを承知しているかどうかで、だいぶおむつセンサーの精度が変わってきます。使うことを検討されている方は参考にしてください。

  • おむつセンサーの装着は、座位、仰臥位、性別等の条件ごとに、適切な位置にする必要がある。
     おむつのどの位置が濡れているかを調べ、その中央におむつセンサーを止めるようにすると良い。
     事前に紙おむつに罫書き線を入れておくと管理しやすい。
  • おむつセンサーが紙おむつから浮き上がらないように止める。
  • 紙おむつの履き方でもおむつセンサーの位置が変るので注意が必要。
  • 使用する紙おむつの吸収量により、おむつセンサーの反応が変わる。
    (使用している紙おむつが長時間タイプだと、おむつセンサーの反応が弱くなる)
  • 女性の座位の場合、おむつセンサーをやや後ろの位置に装着しないと検知せず、股間に異物感が生じる。
  • 仰臥位の場合、おむつセンサーを後ろの位置に装着するが、おむつセンサーの異物感は少ない。
  • 長時間タイプの紙おむつだと、失禁しても(黄色)止まりで、アラーム(赤色)が出ないことがある。
  • アラーム(赤色)が出ているのに失禁していないというエラーあり。原因は分からない。
    (おむつ交換をする度に、アプリをリスタートすることでエラーを回避できるよう)
  • スマホは常時おむつセンサーのアプリを起動しておく必要がある。
    (私はスマホを持っていないので、持っていたiPadを使いました)

アイキューラボの介護用おむつセンサーを試しに使ってみました アイキューラボの介護用おむつセンサーを試しに使ってみました

 

 

試しに使った感想は なくてはならない便利グッズ

使用するにあたり、細々と注意することがありますが、慣れればたいしたことありません。
それに検知精度が70%というのは、すごいと思います。
今までの、もじもじしたりする排尿/失禁のサインと併用すれば、かなり高い精度で失禁がわかっちゃいます。

 

ただ、残念なのは、おむつセンサーをやや後ろの位置に取り付けないとならないこと。
寝ている時は問題ないのですが、起きて座っている時は異物感があります。
長時間おむつセンサーをつけて座っていると、お尻が痛くなってきます。
このため、昼間の使用はあきらめました。
(男性の場合は問題ないかもしれません)

 

また、母が使用している紙おむつは長時間タイプなためか、失禁しても(黄色)止まりで、アラーム(赤色)が出ないことがありました。
ソフト上でおむつセンサーの感度を最大に調整しましたが、改善しません。
もっと感度をアップできると嬉しいです。

 

いくつか不満はあるものの、毎晩寝る時はおむつセンサーを使ってます。便利です。
もうおむつセンサーなしではいられません。
以前のように夜中に数時間おきに様子を見たり、母を起こしてトイレに誘導したりしなくてすみ、楽になりました。
失禁したらアラームが鳴りますので、だいたい速やかに紙おむつを交換できるようにもなりました。

なんとか昼間も使えないかと思案中です。